筆者はこれまでCASIO プロトレックスマート「WSD-F30」を使用していたのですが、いくつか不満が出てくるようになりました。
今回その不満点を概ね解消すべく、新たにGarmin「Instinct Dual Power」を買ったので使用感などレビューしていきます。
これまで使っていたスマートウォッチの不満点
そもそも筆者がスマートウォッチを使おうと思った理由が、「登山で使う時計を、普段からも使いたい」というものでした。
それ以前も高度計・コンパス・気圧計(ABCセンサー)が搭載されたプロトレックは使っていたのですが、デザインがアウトドア感満載で、普段使いにはちょっと合いませんでした。
それよりも大きな不満が何よりも「バッテリーの持ちが悪い」ことです。
WSD-F30は、スマートウォッチモードで使用すると大体1〜2日でバッテリーが切れます。とくになんの機能も使ってないのに。
「マルチタイムピースモード」というスマートウォッチ機能を全部停止するモードで使用すると、画面表示はモノクロで情報も最小になるかわりに1ヶ月持ちます。が、そんなモードだったら普通にスマートじゃないプロトレック買うよ!ということでスマートウォッチの意味が見いだせなくなっていたのでした。
プロトレックスマートのマルチタイムピースモード。バッテリーは持つが情報表示量が少ない |
筆者が登山用スマートウォッチに求める条件
ということで新しいウォッチ探し。必要条件は下記です。
①ABCセンサー搭載
ABCセンサーとは、高度計(Altimeter)、気圧計(Barometer)、コンパス(Compass)が搭載されたセンサーのこと。この3つがあれば、登山用ウォッチとしての機能が果たせます。
②充電が長時間持つこと
技術の進歩でスマートウォッチ全体のバッテリー持ち時間はそれなりに伸びています。しかし、Apple Watchなどのハイエンドスマートウォッチはまだ1〜2日ほどしか充電が持ちません。
何でもできる反面、すぐにバッテリーが切れてしまっては登山用スマートウォッチとしては使えません。
少なくとも、1週間ほどは持ってほしいところです。後述するGPSを併用した場合でも、24時間は持って欲しい。
③GPS機能
これはマストではなく、あると嬉しいというレベルのもの。
プロトレックスマートはYAMAPと連携していたので、時計上でそこそこ詳細な地図表示ができて、現在地がわかるのが便利でした。
しかし、その機能は全部スマートフォンで完結できるもの。スマートウォッチのGPSに求めるものとしては、あとで確認するための記録用で十分だろ、という判断です。紙の地図&スマートフォン&スマートウォッチの3段階ぐらい保険かけておけばいいだろう、といった感じ。
④心拍数
最近筆者も歳をとってきたので、心拍数に気をつかうようになりました。また別で記事にしたいと思いますが、一説には自分の最大心拍数は「220-年齢」で、登山に最適な心拍数はこれの70%くらいなのだとか。
今まで心拍数はシャオミの「Mi Band5」で測定していたのですが、プロトレックスマートとMi Band5を両腕につけていたので邪魔でしょうがなかったです。
とにかく心拍数を見ながら登りたい。
⑤耐衝撃性・耐熱耐冷
防水が必要なのは当たり前ですが、他にも欲しいのがこの機能。
筆者はサウナが好きなので、できればサウナでも外したくない。心拍数をはじめ色々数値をとりたい。
でもおそらくスマートウォッチで公式に「サウナでも使えるよ!」というものは存在しないと思います。
「サウナでオススメのスマートウォッチ○選」といった記事は、基本自己責任だと思ってください。修理保証も効かないことだってあり得ます。
ということで、せめて耐熱機能がついていればサウナで使えることを保証されていなくても多少は大丈夫だろうという算段です。
⑥登山の他、ランニングとスイミングにも対応している
筆者が行うアクティビティはこれくらいなので、あったらいいなぁと。とくにスイミング。
⑦通知機能は正直どっちでもいい
前にも同じことを記事にしたんですが、「スマートウォッチで通知見るか?」という話。
便利なシーンは電話かかってきていてそれがスマートウォッチにも通知くるから気づく、というものくらいしか思い浮かびません。
仕事のメールも一日何百通も来るし、いちいちスマートウォッチで通知確認してたらキリがないので、電話の通知が来れば御の字。別に来なくても構いません。
前置きが非常に長くなりましたが、これらを満たすのが「Instinct Dual Power」だった、ということです。
※この記事執筆中に、「Instinct2 Dual Power」が発売されました。詳しくは後述
Instinct Dual Powerのスゴいところ
上に書かれていること以外でサクッと紹介。
バッテリー持ちがスゴい
このスマートウォッチはソーラー充電ができるので、単純な通知機能・GPS不使用のスマートウォッチモードで最大24日+30日の合計54日間、充電なしで使えます。
これは確かにすごい。これだけでも買う理由になる。
でもちょっと待ってほしい。このスマートウォッチが欲しい人が、基本機能だけで長期間過ごすことがあるだろうか?
筆者の場合、あくまで登山用ウォッチとして購入したので、GPSは使うしアクティビティ、トレーニングの記録もします。
満充電で27d表記(このdは多分、日だと思うけど)からアクティビティしてみた結果の実測です。
ランと登山はGPSオン。スイムはGPSオフです。
感覚値でGPS1時間使うと、2dくらい減っていきます。
で、減るのをソーラーでちょっとずつ補っている感じ。
まぁ、ずっとGPSオンのまま使い続けることもないだろうし、筆者の使い方であれば1週間は余裕で持つことがわかりました。
ちなみに、上述のソーラー充電込みで最大54日というのは、1 日中着用し、野外の 50,000 ルクスの条件下で 1 日 3 時間置いた場合の日数。なお、50,000ルクスは真夏の曇天=真冬の晴天だそうです。
Instinct Dual PowerをレビューしているYouTuberが「今日は晴れているので時計を外して外で充電してます!3時間外に置いときます!」とかやっていましたが、「それなら普通にUSB充電したほうが早いんじゃ…」と思ったのは内緒です。
数値の正確性
ABCセンサーについては問題なし。ただし、スイムやサウナなど水中では高度計などの数値が狂います。そりゃ高度センサーに水が付着すれば正確な数字がでないのも仕方ない。
これは使用を前提としていないので当然。通常時で何も不便はありませんでした。
登山時の表示
時計単体だと対した表示はできないのですが、Garmin Connectという純正アプリを使うとより詳細なアクティビティデータを読み出すことができます。
こちらは筆者が利用しているYAMAPとの比較です。
YAMAPのGPSデータ
GarminのGPSデータ
縮尺は若干違いますが、GPSデータはほとんど同じです。
ちなみにInstinctでは、GPS、GLONASS、みちびき(補完信号)、Galileoの4つが利用できるようですが、設定でGPSのみにしてあります。このほうがバッテリー消費が少なく済むそうなので。
また、精度もよっぽど谷間でなければそうそう変わらなさそうです。
YAMAPの高度データ
Garminの高度データ
情報の取捨選択ができる
バッテリー残量、心拍、ソーラー充電状況、時間、歩数、日付 |
1ページめ。総上昇量、心拍、現在高度、経過時間、時刻 |
2ページめ、総歩行距離、バッテリー残量、気温、総下降量、消費カロリー |
Instinct2 Dual Power との違い
まとめ
とりあえず今時点で使っている機能はこれくらいです。
今後、さらに使いこなして詳細レビューできたらと思います。
なにかご質問があればTwitterまでご連絡ください。