私もはじめそうでした。
というか今になっても、まだザック熱は下がらずあのザック欲しい、このザック欲しい、という欲が収まりません。
今回は簡単に、初心者向けのザックについて説明します。
ザックの容量は目的で選ぼう
ザック選びに関して言えば、「大は小を兼ねる」は間違いではないですが、通常、容量が大きければ大きいほど重くなります。
そのため、メインの山行が日帰りなのか、宿泊ありなのかによってザックの容量が変わってきます。
いずれのザックを選ぶにしても、必ずお店で実物を見て、フィッティングしてから購入するべきです。
30L以下
日帰り登山は大体このくらいのサイズを使用します。持ち物自体もそんなに無いので最初は色やデザインなど、街でも使用できるザックでも何も問題ないので、好みで選んでしまって大丈夫です。
10〜20Lで着るように背負うザックもあり、これはトレイルランニング(山を走る登山)に使用できるモデルです。いきなりそういったモデルを選択するのはレベルが高すぎるので、スタンダードなザックを選ぶようにしましょう。
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ちなみにこちらはマンガ・アニメで人気の「ヤマノススメ」で主人公が持っているザックに似ているものです(本当のモデルになったものはすでに廃盤。中古もプレミアがついています)。
35〜40L
このあたりの容量は荷物の多い冬の日帰り登山や小屋泊に適しています。山を始める段階でいきなり揃える必要はないでしょう。このクラスのザックは持たずに、30L以下と40L以上のザックで登山している人も大勢います。
必要だったら購入を検討してみる、くらいで大丈夫だと思います。
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40L以上
この辺からテント泊が選択肢に入ってきます。と言っても、近年は荷物を極端に軽量化し、ウルトラライト志向の方も増え30Lクラスのバックパックでテント泊をしている人も増えているので一概には言えませんが、私はソロでテント泊をする際は65Lのバックパックでテント泊をしています。
このあたりは背負心地や機能性、好み、ブランドなど、さまざまな角度から必要性を判断するところになるので経験を積んでから選ぶほうがいいと思います。
ガチの登山家でなければ、大体この3クラスのザックがあれば事足ります。
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機能性はブランドによって特色がある
登山ブームになる以前から、各ブランドはそれぞれ特徴を持ったザックを発売してきました。
昨今の流行りだとウルトラライト(超軽量)ザックが人気を博しており、今でも人気のブランドのものは販売開始と同時に売り切れたり入手困難なものもあります。
前述のとおり、30L以下のザックについては個人の好みで問題ありませんが、それ以上となると機能性や背負い心地が大きく関わってきます。
機能性で選ぶ際のポイント
ポケット数
多ければ良い、というわけではありませんが、やはり収納箇所が多いと便利です。ザック背負ったまま軽量な荷物なら取り出せる、といったところがポイントです。
ムレ防止
当然ながら背負ったまま運動することになるので、背中はムレます。このムレを解消するために、背面がメッシュになっていたり吸汗速乾性を持たせたザックが多く販売されています。
ウエストベルト
背負い心地にかなり影響するのがこのウエストベルトの有無です。30L以上のザックにはほとんどと言っていいほど付いていますが、太さや柔らかさなどはザックによって大きく異なります。
これらの機能は「快適性」を求めたものです。要はずっと背負っていて疲れないかどうか、がポイントです。
各ブランドの特徴
各社工夫をこらしたザックが販売されていますが、一応各メジャーブランドの特色を簡単に説明します。多少個人の感想も含まれています。
GREGORY グレゴリー
アメリカ発の「ザック界のロールスロイス」と異名を持つブランドです。
私自身はこのブランドのファンで、35Lと65Lのザックはグレゴリーのものです。
その異名通り、背負い心地に定評があり、「まるで着ているように背負う」と言われています。
超快適! 日帰りザックの新定番 グレゴリー「ZULU30(ズール30)」
MILLET ミレー
フランス生まれのザックブランド。ポケットやギミックが多く、機能性にあふれながらも堅実なザック作りをするブランドです。
シルエットが縦長でスマートな印象です。
多機能なのにムダの無いバックパック! ミレー「サースフェー40+5」
Karrimor カリマー
私が初めて購入した登山用ザックがこのブランドでした。こちらはイギリス。
必要な機能は備えながらも、最新技術を投入したシリーズ「ridge(リッジ)シリーズ」がよく知られています。
拡張性がそこそこあり、表記容量以上に荷物が積める印象です。
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deuter ドイター
ザック界では老舗感のあるブランド。ドイツらしい質実剛健なザックを多く作っています。
背中のムレを最大限抑えるメッシュ構造は他ブランドを超えてるんじゃないかな?と思います。
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OSPREY オスプレー
中型〜大型のザックに定評のあるアメリカのブランドです。
ロングトレイルが盛んなアメリカらしく、装備を外付けできたり機能性も高く評価されています。
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THE NORTH FACE ノースフェイス
アメリカ発のブランドで、タウンユースから本格的なザックまで幅広く取り扱っています。
日本で今流行している真四角の「ヒューズボックス」は街で見ない日はないくらい浸透しています。
中型〜大型のザックもありますが、そこまで見ません。機能性も高いですが、それ以上にデザインがカッコいいブランドです。
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国産のウルトラライトザック
山と道
出典:山と道 |
日本のウルトラライトザックブランドとしてトップと言っていいんじゃないでしょうか。
登山を本気でやっているご夫婦が立ち上げたブランドです。
ウルトラライトザックにほぼ共通して言えることは、軽量化のため内部フレームが無い、もしくは極端に減らしてあることが特徴です。
じゃあ背負い心地はあんまり良くないの?というとそんなことはなく、日本製らしく細部にまでこだわって作られているので背負い心地に対する評価も高い。
基本的に受注生産で、素材や色も自分で指定することができます。
私も欲しいのですがなかなか予約できない…。予約しても手作りのため実際に届くのは数ヶ月かかります。
フタをカパっとする天蓋式ではなく、ロールトップ式なのも特徴の一つです。
類似製品が多く出ている気がします。それくらい人気のザックです。
アトリエブルーボトル
出典:atelierbluebottle |
こちらも欲しいけどなかなか手に入らないザック。
機能性は犠牲にせず、ひたすらカッコいいです。欲しい。オンラインストアは常に欠品、イベントなどで受注会を抽選でやっている、という状況なので、入手難易度はかなり高いです。
フィッティングがかなり重要
何時間も行動を一緒にするザックは、フィッティングがとにかく重要です。
フィッティングの仕方もブランドによって違ったりしますが基本的には、
- まずウエストベルトを骨盤の位置で締める
- チェストストラップ(胸のベルト)を締める
- ショルダーストラップ(肩の部分)を締める
- ロードリフト(ザックの位置調整)を締める
大体この順番でフィッティングしていきます。
登山用品店に行くと、必ず詳しい店員さんがいるので話を聞きながらフィッティングするのが吉。
あとサイズ。容量ではなく、自分の背面のサイズにあったザックでないと小さくてキツかったり、逆に大きいと擦れて痛み、疲れが出ます。
この辺もブランドによって最適なサイズは微妙に異なるので、店員さんに聞いてみるといいでしょう。
まとめ
各ブランドのザックには、10年以上続く定番シリーズがあります。
迷った場合には、店員さんに「定番はどれですか?」と聞いてみましょう。
行きたい山が決まっている場合には、それも伝えると適切なザック選びを手伝ってくれます。
フィッティングしてみて、購入はWebでしたほうがポイントや値引きがされているので得なことが多いです。私はいつもこのパターン。
一度購入したら長いこと使うことになると思いますので、悔いのないザック選びをしましょう。